2015.11.12 コラム&レポート
『解熱剤の使い時について』

これから寒くなってくる季節、風邪やインフルエンザなど、お子様が感染症にかかるかどうかが気になってくる季節ですよね。
もしかかってしまった場合、かかりつけの小児科に受診する事も多いと思われます。
子どもの熱が38℃あって、ハアハアしんどそうにしている時、子育てしているママさん達は早く治してあげたいなって思いますよね???
そんな時に、小児科の医師が、解熱剤の座薬(アンヒバ坐剤など)や飲み薬(カロナールなど)を処方されると、「これを使って、早く楽にしてあげたい!」と思う方も多いのではないのでしょうか???
最近はよくご存知の方も多いとは思いますが、解熱剤を使う事で、風邪の治りが遅くなってしまう場合があります!
「使ってあげたら楽そうになったのに!」
「医師が処方するのに!」
そこに大きな落とし穴があります!
とその前に人間の体温と免疫力の関係について簡単に説明します。
一般的に、体温が1℃下がってしまうと、免疫力が30%下がってしまうと言われ、免疫細胞は温度が高い方が活発化し、実験で細胞を扱う場合でも36度よりも37度前後の方が酵素が活性化、 細胞活動が上がることが確認されているそうです。
また、白血球一族のリンパ球などは36度では動きが鈍くなるとのことで、「体温が低い人は風邪もなかなか治らず長引く傾向がある」と指摘するデータも多くあります。
確かに、解熱剤を使うと、一時的に熱は下がってくれます。
ただ、体内で白血球などの免疫力が頑張ってウイルスや細菌をやっつけているのに、体温を下げてしまう事で、それを邪魔してしまっていると言えます。
ここからも、簡単に解熱剤は使用しない方が良い事が分かります。
ちなみに、私には子どもが3人いますが、過去7年間で解熱剤を使用したことは、2回しかありません。
冷蔵庫に坐薬がありますが、3年くらいそのままです(笑)。
使わない方が良いですが、あえて使うタイミングとしては、
・熱のせいで夜全然寝付けない様な時で、ぐったりして38.5℃以上ある時
しかも、手足が冷たい時などは、体がウイルスなどと戦うために体温を上げようとしているので、まだまだ熱が上がる可能性が高く、解熱剤を使っても意味が無いので、上記の様な状態でも、体を温かくしてあげて、様子を見てあげましょう。
子どもの“しんどそうな姿”を見るのは辛いとは思いますが、お薬は正しく使ってあげてください。
::::::プロフィール::::::::
三谷 洋右
株式会社FEFREC(フェスレック)
代表取締役
会社HP
http://fesrec-japan.com/
FBアドレス
https://www.facebook.com/fesrec
ぽかぽか薬局 ブログ
http://ameblo.jp/pokapoka-pharmacy/entry-12067863459.html
現在3人の子育て中!!!
学校薬剤師・スポーツファーマシストであり、現在2店舗の薬局を経営。
松山の高校を卒業後、神戸の大学を経て、
薬剤師として地元ドラッグストアチェーンに就職。ド
ラッグストア店舗、調剤薬局の勤務・管理者を経て、
商品の仕入を行うバイヤーを経験。
その後、調剤薬局を統括する課長として勤務した後、2012年11月に退職。
起業準備中に、介護施設にて介護関連サービス研修を受けたり、
学校の環境検査を行う学校薬剤師の活動も開始。
2013年4月15日株式会社FESRECを創設。
2014年現在、スポーツファーマシストとしても活動開始。
会社概要
FES=first employee satisfaction(従業員満足第一)
REC=regional contribution(地域貢献)
を掛け合わせた造語。
自分を含め、従業員が楽しく満足して仕事をする事を基本とし、
その楽しさの輪を、お客様や地域に還元していくことを社是とする。
薬局事業を主体とする。
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