2016.06.08 コラム&レポート
「産前産後の体の変化について①」〜もこぼっくす保健室〜
産後すぐ、妊娠前に履いていたジーンズが履けなかったことありませんか?私もその一人です。
体重が増えすぎたわけでもないのに…これって骨盤が開いているの?と思っていた時期がありました。
でも…、それって本当?
3人の子育てをしていく中で、いろいろな痛みの体験をしたことをきっかけに、産前産後の体の変化についてもう一度勉強しなおすことができたので、皆さんにもご紹介したいと思います。
Q.妊娠、出産で骨盤は開くの?
A.骨盤は開きません!!
「開く」には、閉じふさがっていたものがあけ広げられる。あいた状態になる。という意味があります。
下の図のように骨盤は、寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)2個・仙骨1個・尾骨1個で構成され、それぞれ仙腸関節・恥骨結合・仙尾関節で連結されています。
関節は強靭な靭帯でつながれているので、可動性はほとんどありません。
これらの関節はあくどころか、ずれていたら立ち上がっただけで激痛が走り、歩くこともできないのです。
妊娠・出産のときはというと、リラキシンホルモンの作用で靭帯が緩んで可動性が増すだけで、1センチくらいのものです。
お産には3つの要素が大切だといわれています。
産道(骨産道・軟産道)、娩出力、胎児とその付属物
このどれか一つでも問題が起こってしまうと危険な状態になることもあります。
骨産道は骨盤の一部のことですが、
児頭骨盤不均衡や肩甲難産という言葉を聞いたことはありませんか?
児頭骨盤不均衡は、出産の際に赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤よりも大きいため、骨盤を通ることができないことです。この場合は帝王切開が適応となります。
肩甲難産は、出産の際に赤ちゃんの頭が出た後、肩が恥骨結合につかえて出てこられない状態のことをいいます。
骨盤が開いてくれたら、このような状況は起こらないですよね。
Q.どうして開いたように見えるの?
A.骨盤の傾きと股関節の位置にあります。骨盤が前に傾くためです。
妊娠中は、赤ちゃんの重さに対応してお腹を前に突き出してバランスをとるため、上の右側の図のように骨盤が前へ傾き反り腰になります。
腹筋は大きく引き伸ばされ、背中や腰の筋肉は縮んだ状態です。
そして、骨盤が前に傾くことで筋肉が引き伸ばされた状態が続いて股関節が内股になります。
そのため、股関節から出っ張った大転子が骨盤の一部のように張って見えるため、骨盤が開いたように見えるのです。
骨盤は前に傾くことによって開いたように見えているだけで、開かない!!
次回はこの骨盤が前に傾く(反り腰)姿勢のチェック方法や起こりうるトラブルについてお話ししたいと思います。
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講師プロフィール
出張 助産院emi
助産師 田中恵美子
大学病院の産科、NICUや市内のクリニックで助産師として勤務。
分娩介助や新生児の看護、母乳育児支援、保健指導などに携わる。
1女2男の3児の母となり、産前産後ケアの大切さを改めて実感。
少しでもママに楽をしてほしい、ゆっくり時間をとってお話を聴きたいとの思いから、出張型の助産院emiを開業。
母乳育児相談やママのカラダを整えるお手伝いだけでなく、松山市のコミセンこども館で「赤ちゃんこえ浴」のスタッフもしています。
所在地 ※出張可能エリア 松山市、東温市、伊予市、松前町、砥部方面TEL 080-2979-3798
営業時間 10:00 ~ 14:30
定休日 土・日・祝日・年末年始(詳細はブログをご確認ください。)
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