2017.07.18 コラム&レポート
オモニの食養生~韓国ごはんの秘密~

薬食同源、健康意識の高いお隣り韓国では、家庭の食事にも、全国共通の文化があります。
その代表的なもののひとつが
「ワカメスープ」。
お誕生日に必ず出されるお祝いのスープであり、また お乳の出を良くする産後の食べ物の定番として、昔から産婦さんに食べさせていました。
各家庭では、嫁や娘の懐妊の知らせを聞くと、質のよいワカメを求め、皆こぞってデパートや専門店に押しかけます。
ワカメは乾燥のものが多く出回っておりますが、春が旬で、波の荒いところのワカメほど美味とされています。
ワカメにはカルシウムや鉄、ビタミンB2や食物繊維が多く含まれていますが、特記すべきはヨウ素の含有量。
全食品中トップクラスで含有されているヨウ素は甲状腺ホルモンを生成し、子供の発育を促進します。
そのため、まるで孫の将来がかかっているかのように、ワカメ選びは真剣です。
科学の発達していなかった遠い昔から人々がチョイスしてきたもの、本能とは素晴らしいですね。

そしていよいよ出産。
無事誕生の知らせを聞くと、じいじ、ばあばは出産祝いと一緒に、大鍋一杯のワカメスープをかかえて産院へと押しかけます。
産婦さんは毎食ごとにワカメスープを食べるのが仕事。
愛情いっぱい、手作りのワカメスープをせっせと食べ、産後の回復と授乳に勤めます。
そう、スープを飲むのではなく、食べるのです。
韓国のワカメスープは、汁の中にワカメが入っているのか、ワカメの中に汁が入っているのかと言う程、ワカメ密度が高いのです。
スープのおダシは家庭により様々。
海に近い地域では煮干しや鯛、内陸部では鶏肉や牛肉など、味付けは薄めの醤油味です。
共通しているのは、どれもワカメがよ~く炊かれて、とろっとろになっているところ。
とろっとろにすることで消化がよく、水分もたっぷり含んでワカメの栄養が体中に届きやすくなっています。
この、密度ギューギュー、とろっとろのワカメスープこそが親の愛の証。
床上げまでの約3週間、子や孫の健やかな成長を願い、親は毎日 真心込めてつくり続けます。

日本で、できの悪い人への悪口で「おまえのかあちゃん、出べそ!」という言葉がありますが、
韓国では、「おまえのかあちゃん、ワカメスープを食べさせてもらえなかったんだろ」という表現があります。
そして、その真心を忘れないよう、お誕生日には必ずワカメスープが登場するのです。
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講師プロフィール
朴美樹

1971年生まれ
民族学校の音楽教師を経て、実家の焼肉店で働く。
今年4月、伊予郡松前町にマイキムチ&コリアンデリ『hanari(ハンアリ)』をオープン。
薬食同源、オモニの食養生をテーマに、韓国フードの新しいカタチを目指す。
薬膳アドバイザー。
◎『hanari』さんのもこぼっくすページはコチラ⇒
https://mocobox.jp/detail/index/5431
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